#02 好奇心はねこを殺す?/Curiosity killed a cat

【ぼく】4月27日
 
春なのに暑すぎる。こんな時期からクーラーなんて贅沢(ぜいたく)はできないので、こかりの実家にまだいる。そろそろ帰らなくてはと思いながらも、仕事の依頼は皆無で良くも悪くも支障がない。のんびり屋のこかりは「大丈夫、気長に行こう」と言ってくれるが、このままじゃ「自称」イラストレーターだ。どうにかせねば。
 
はじめは、自分でおしっこすらできなかったホワンホワンも、無事育っている。最近はいたずらも覚え、食器棚の上に登ったり、壁で爪を研いだりする。猫を飼うのは初めてなので、猫的行動のすべてが新鮮でつい甘やかしてしまうが、悪い時は叱らなくては。
ホワンが来て一番割りをくったのはスマちゃんだろう。
スマはこの家での先輩だが、猫にリスペクトという観念はない。すれ違いざまに猫パンチ、ソファの背からはジャンピング猫パンチを()らわせ、スマお気に入りのざぶとんを占拠し、ごはんの器をひっくり返した。まさに悪行三昧(あくぎようざんまい)、ホワンがやって来た晩、優しいスマは夜通し見守っていてくれたというのに。
 
しかし、そんな悪童ホワンにもついに天罰が下る。どーんと大きな音がして、スマがワンワンと大声で呼んでいた。あわてて見に行くとホワンがミーミー泣きながら足をひきずっている!
またお医者さんに連れて行ったが、幸い骨は折れていなかった。その後、ホワンは何事もなかったように駆け回っていたが、2階には近づかなくなった。何があった?
 

【ミー】April 27th
 
スマはコットンキャンディーのようにふわふわしてよわそうなやつだ。ほかのみんなにはしっぽをふるのに、スリッパにだけはつよく、ほえたりかみついたりした。よわいやつにだけつよい? ミーもやられないようにどっちがボスかをはっきりさせることにした。
すれちがうたびにひっかき、ネコパンチをおみまいしたがベイビーなミーのアタックはきかず、スマはドンマイってかおをするだけだった。スマにはのぼれないたかいところからみおろしたり、かべでつめをといでシャープさをアピールしたけれど、ミーがしかられてしまいそんをした。
 
そんなとき、2かいからたれるつたをみて、タイラーとTVでみたけむくじゃらなモンキーをおもいだした。ジャングルをじゆうにとびまわるやつらはとてもかっこよかった。ミーもジャンプはとくい、あんなふうにとびまわるすがたをみせればスマもみとめてくれるかもしれない。
 
スマがみているのをチェックして、ミーはジャンプした。つたからつたへ、あのけむくじゃらのように。しかしミーはやってしまった、ベイビーなアームがこんなにみじかいなんて。つたをつかめずふきぬけからドーンとおちた。あまりにいたくて「ミーのあしがー」とないていたら、あろうことか、スマがラウドなバークでみんなをよんでくれた。
 

ねこようせいによる「ねことわざ」解説

Curiosity killed a cat?

(好奇心はねこを殺す?)

「首をつっこみすぎると身を滅ぼす?」って意味だよ。元々はイギリスのことわざなんだって。まさに今回のホワンちゃんのためにあるような言葉だね。イギリスのねこも日本のねこもあまり変わらないのかもしれないね。みんな一緒。

毎月第1・3火曜日更新

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北澤平祐プロフィール

北澤平祐(きたざわ・へいすけ)
イラストレーター。東京都在住。アメリカに16年間在住後、帰国しイラストレーターとしての活動を開始。
多数の書籍装画や、花王、東京ソラマチ、渋谷ヒカリエなどのキャンペーンビジュアル、ファミリーレストランCOCO'Sのメニューイラストや、洋菓子のフランセ、キャラメルゴーストハウス、KENZO Parfumsの商品パッケージ等、国内外の幅広い分野でイラストを提供。
オフィシャルサイトwww.hypehopewonderland.com