27.新しいマニュキアを開けるとき ~小さな幸せと、アフターコロナの「再起動」に向けて~

人のための香り、自分のための香りに気づく

 

私の住む東京も緊急事態宣言が解除され、少しずつ、普通の生活が戻ってきました。とはいえ、完全に戻るには、まだ時間がかかると思います。今回は、自粛生活でわかったことを振り返りつつ、徐々に社会復帰するためにどうしたらいいかを考えてみたいと思います。

 

まず、自粛生活に入ってやらなくなったこと。

 

この2か月、おしゃれやメイクをほとんどしなくなりました。で、あらためて、おしゃれやメイクって何だろうと考えました。自分のためのメイクと、人のためのメイクって違うんですね。

 

それから気づいたのは、部屋でアロマディフューザーは使うけれど、香水系はつけていなかったことです。先日、久々のリアル対面打ち合わせに出かけるとき、ほとんど2か月ぶりに、オーデコロンをつけました。香りにもおうち仕様(しよう)と対人仕様があると実感しました。

自粛生活中はつけなかった香水。2か月ぶりに、オーデコロンをつけました。ファッション業界御用達ブランド VITAL MATERIAL×CINOH、大好きな2つのブランドがコラボしたオーデコロン。ちょっと「禅」な感じが気に入ってます。

アフターコロナ、初の打ち合わせの足元は手堅くTeva(テバ)のサンダルにしました。ちょっとスーパーに行っただけで、ヨロヨロしてしまう、軟弱な身体になっていたからです。Tevaの公式サイトから通販して5000円くらい。歩きやすくて滑りにくい、すぐれものです。

 

おしゃれ能力も落ちている今、服は全身黒のコーディネイトになりがちですが、それでは気分が上がらないので、ピンクと赤のバイカラーのバッグに、アップルウオッチ(Apple Watch)の文字盤もポップな感じに。指先もuka(ウカ)の新製品でマーブルチョコみたいにしてみました。

軟弱になった身体にぴったりな、Tevaのサンダル。バイカラーのバッグ、ポップな文字盤、ukaのネイルで少し気分を上げます。

私の「小さな幸せ」シリーズ

 
 

少し前に、らっきょうを()けました。私は梅雨(つゆ)の時期、毎年「梅仕事」をしているのですが、らっきょうを漬けるのははじめて。家にいる時間がたっぷりあったからできたことです。

らっきょう1キロの薄皮向きはちょっとした修行!

それから、自分でパンを焼いてみて気づいたのは、パン屋さんやスーパーに売っているパンの凄さです。美味しいし、安い。プロの方の作るものなので当たり前なのですが、自分でやってみてはじめて実感できることってありますね。

 

今回の引きこもり生活で、私が幸せを感じることや瞬間って何だろう? と考えました。それまで「大きな幸せ」としては、

 

1.ヨガにいく
2.温泉や銭湯にいく
3.ライブや映画にいく

 

というものがありました。6月に入ってこれらが徐々に再開されつつありますが、私にとって、それ以外の「小さな幸せ」って何? と考えたときに、

 

1.新しいマニキュアを開けるとき
2.ベランダのミニトマト、ミント、ローズマリーを収穫するとき

 

かな? と思いました。

 

サラダとマニキュアは新しいほうがいい!

 
 

開けたてのマニキュアはフレッシュで()りやすく、同じ赤でも、数年前の赤とは明らかにニュアンスが違い、塗っただけで指先や足元が今っぽい感じになります。

uka の新製品。ペディキュアにもよさそうなカラーです。

マニキュアにも賞味期限があるみたいで、一度開けてしまったマニキュアは、どんなに高かったものでも濃度が濃くなり、ドロッとしていて塗りにくい。見た目ではわからなくて処分しにくいのですが、中には20年くらい前にニューヨークコレクションでいただいたものまであってビックリ。さすがに色が分離していました。

 

5月、ベランダのミニトマトやミントが収穫できるくらいに育ってきました。サラダにちょっと彩りがほしいときなどに便利ですし、ミントはフレッシュミントティーにしたり、モヒートも作り放題です。もちろんミントを多め、甘さ控えめでね!

ベランダのミニトマトが真っ赤になりました!

甘味は、アガベ(agave)シロップにしています。アガベはサボテンにも似たリュウゼツランという多肉植物から作られた甘味料で、アイスティーなどにも便利。以前は探すのが大変だったので、海外に行ったときにオーガニックスーパーなどで購入していましたが、今は近所のスーパーや成城石井で手に入るので助かります。

 

アフターコロナは「再起動」

 
 

よく「アフターコロナ」という言葉を聞きますが、人との関わり方などを見直していかなければいけないこの時代、いろいろ再起動するチャンスだと思います。

 

リセットではなく再起動。コロナ禍で広がったオンライン会議やリモートワークは、今後も継続されていくと思いますし、人との付き合い方も変わります。本当に会いたい人、本当に会う必要のある人(仕事でも、プライベートでも)を厳選していく。食べるものも。

 

すべて初期化するリセットではなく、長い間のルーティンワークでも実は無駄だったことなど、バグを修正するための「再起動」が必要な時代になると思います。

 

全国で2か月近く自粛要請がなされた後ですから、自粛疲れもあると思います。新しいルールに戸惑うこともあるかもしれません。コロナで自粛していた分を急に取り返す! と張り切らず、当分無理をしない。仕事もプライベートも、一度深呼吸をしてみて、好きなことから少しずつ再開してみてはいかがでしょうか?

 

今回のおまけ ちょっとした工夫で、紫陽花、長持ち!

 
 

2週間くらい前、歯医者さんの帰りに買った1本200円の紫陽花(あじさい)。さすがに(しお)れてきたので、短くして、お風呂くらいの温度のお湯を張ったボールに20分くらいつけておいたら、3本中2本は、まさかの大復活! 捨ててしまわなくてよかったです。

 

これも今までより時間の余裕があったから、できたことかもしれませんね。

これは2週間前、買ったばかりの紫陽花。

紫陽花入浴中。茎を短く切り、お湯につけます。人間が入って気持ちいいお風呂の温度くらいがちょうどいいみたいです。

見事に復活した紫陽花2本。あと1週間くらいは持ちそうで怖い(笑)。

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地曳いく子(じびき・いくこ)プロフィール

地曳いく子(じびき・いくこ)
1959年生まれ。『non・no』をはじめ、『MORE』『SPUR』『Marisol』『eclat』『Oggi』『FRaU』『クロワッサン』などのファッション誌で30年以上のキャリアを誇るスタイリスト。著書に『50歳、おしゃれ元年』『服を買うなら、捨てなさい』『着かた、生きかた』『ババア上等! 余計なルールの捨て方 大人のおしゃれDo&Don't』『ババアはつらいよ アラカン・サバイバルBOOK』『おしゃれも人生も映画から』『おしゃれ自由宣言!』など著書多数。槇村さとるさんとの動画連載「BBA(ババア)チャンネル byさとる×いく子」も好評配信中。http://gakugei.shueisha.co.jp/yomimono/bbach/01.html